書籍詳細

看護成果分類(NOC) 原著第5版

成果測定のための指標・測定尺度

著=Sue Moorehead/Marion Johnson/Meridean L. Mass/Elizabeth Swanson
監訳=黒田裕子(徳島文理大学大学院看護学研究科 教授), 社会福祉法人 聖隷福祉事業団 総合病院 聖隷浜松病院 看護部

A5判/1,012頁

ISBN978-4-86034-305-7

2015年07月発行

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パンフレット 正誤表

NANDA、NICと並ぶ、標準化された看護用語の1つNOC
新たに107の成果と”健康管理”の類が追加
臨床で使われるわかりやすい翻訳に一新!

NANDA-Ⅰ看護診断、NIC(看護介入分類)と並ぶ、標準化された看護用語の1つNOC(看護成果分類)。
原著第5版は、新成果が107追加され、全部で490の成果で構成されている。
また、急性および慢性的な健康状態の自己管理に焦点があてられた類“健康管理”が追加され、全32類となった。

本版から監訳者が変更され、看護実践家が加わったほか、訳注が加わり、より臨床現場に合ったわかりやすい翻訳になっている。
看護師をはじめとした医療従事者がNOCを臨床実践、教育、研究で活用するための必携書。

◆原著第5版の主な特長
  • 新成果が107追加され、全部で490の成果 (改訂された成果:名称変更20、定義変更30、尺度変更7、削除2)
  • 急性および慢性的な健康状態の自己管理に焦点があてられた類、“健康管理”が追加 全32類
  • 臨床現場に合ったわかりやすい翻訳に一新!理解しやすいよう注を追加しました。
  • 臨床、研究、教育の場でのNOCの使用について解説

◆原著第5版は、電子テキストデータを提供いたします。

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◆監訳者序文より(抜粋)

本書は,S. Moorhead, M. Johnson, M. L. Maas およびE. Swanson を監修者として2013 年に刊行されたNursing Outcomes Classifi cation, Fifth Ed.(NOC 第5 版)の邦訳,日本語版原著第5 版である。初版が1997 年に,第2 版が2000 年に,第3 版が2004 年に,第4 版が2008 年に刊行されているので,第5 版は第4版から5 年間のアイオア大学成果分類チームにおける継続的な開発の賜と考えられる。さらに第5版から邦訳も前版までの医学書院からエルゼビア・ジャパンへとうつった。これに伴って監訳者もかわった。臨床現場における使い易さをより反映させるために監訳者に看護実践家を含んでいることも新しい。

さて,NOC 第5 版は490 の成果から構成され,そのうちの107 の成果は第5 版で新たに追加され,2 つの成果が削除された。7 つの領域には変更箇所はないが,第5 版から“類FF:健康管理”と命名された1 つの類が“領域Ⅳ:健康知識と行動”の位置づけとして新たに追加され32 類となった。この“類FF:健康管理”は,急性および慢性的な健康状態の自己管理に焦点があてられた類であり,この類に位置づけられた全16 の成果もすべて新しい成果である。医療機関の入院患者は超急性期および急性期に特化され,患者の多くは外来診療や在宅療法へと移行していることが,“領域Ⅳ:健康知識と行動”の刷新と関係していることは容易に理解できる。

本書の主要部分はPART 1 からPART 4 である。
PART 1 は, 第1 章 と 第2 章 から成る。 第1 章 は最新NOC 分類の土台となる部分が定義され説明されている。即ち,NOC とは何かという基本から,成果の測定方法,NANDA インターナショナル看護診断および看護介入分類(NIC)との関連性,測定尺度までがわかりやすく解説されている。よくある質問から,今後の展望までが網羅されている点も興味深い。そして, 第2 章は,臨床,研究,教育の場でのNOC の使用が解説されている。即ち,実践でNOC を使用するときの考慮点,臨床の場へのNOC の導入,電子システムへのNOC の導入,教育プログラムへのNOC の導入,研究へのNOC の使用,そして,NOC の成果を使用する際の申請までが,わかりやすく解説されている。わたしたちがNOC を臨床,研究,教育の場,そして電子カルテで使用しようとする場合はこの 第2 章 の熟読は必須であろう。
PART 2 は,NOC 分類法の概観である。即ち,分類法の歴史的背景,改訂の歴史,これまでの版の変更点,そして分類のコーディングについてが解説されている。490 もの成果を1つひとつ理解するのは並大抵ではない。分類法を十分に理解し,NOC を構造的に理解することこそ重要である。とりわけ電子カルテシステム下でNOC を使う人には,NOC 分類法の概観を根本的に理解することをお勧めしたい。

PART 3 は,本書で膨大な部分を占める成果である。成果名は五十音順に構成されている(原書はアルファベット順)。1 つひとつの成果名と定義,指標,測定尺度,そして成果内容の文献が収められている。 
PART 4 は,NOC リンケージ: 健康パターンとNANDA-I と題され,NANDA-I 看護診断とNOC のリンケージがやさしく解説されている。そのうえで,NANDA-I 看護診断:2012–2014 の実在型看護診断およびリスク型看護診断,そしてヘルスプロモーション型看護診断のそれぞれ1つひとつの診断指標を測定するための成果のリンケージが表の中に提示されている。まさにS. Moorhead らが序文で,「これらのリンケージは規定的なものではなく,さまざまな状況や対象者の臨床データを用いて検証される必要があることを特に言及しておくことが重要である」と忠告していることは,わたしたち読者は決して忘れてはならないだろう。 最後に第5 版は今までにない邦訳を心掛けていることを付け加えておきたい。第1 に,第5 版は,0(ゼロ)点から邦訳している。前版までの邦訳はいっさい使用していない。第2 に,成果に含まれる複数の指標は,複数の成果の指標において使用されている。同じ指標であるにもかかわらず,成果が異なった時に異なった訳であっては標準化には至らない。そのために訳語の統一を図り標準化に近づけようとした。第3 に,臨床現場ではどの訳が最も現実的監訳者序文でフィットするのかという視点を取り入れ,原語の意味を失うことのないように現場志向的な訳語を採用している。

監訳者を代表して
黒田 裕子

◆序文より(抜粋)

看護成果分類( Nursing Outcomes Classifi cation :NOC)の第5 版は,490 もの成果を含み,アイオワ大学成果分類チームの20 年以上にもわたる作業を象徴したものである。この分類は,実践,教育,さらには研究において活用されるために,成果の名前と定義を標準化したものである。それぞれの成果は,名称,定義,成果に関連する特定の状態,知覚,あるいは行動を説明する指標,5 段階のリカート尺度,そして成果を開発するうえで活用された参考文献を含む。これらの成果は,看護師やほかのヘルスケア提供者が,患者,ケア提供者,家族,あるいは地域社会の状態を評価し,定量化するための助けとなる。この分類は,多様な専門領域や状況における成果の測定に焦点をあてており,成果は生涯にわたって適用可能なものである。実践のなかにNOC を組み込んでいる看護師は,介入後の患者状態の変化を定量化し,進行状況をモニタリングすることが可能である。これまで,臨床現場において成果の測定を行う臨床家からは肯定的なフィードバックを得てきており,彼らの提言が,この分類の改良を助けてきたのである。
本版は,490 の成果から構成され,そのうち107 の成果は本版で新たに追加されたものである。新たに追加された成果やすでに刊行されている成果における変更点については,付録A で参照可能である。本版では,急性および慢性的な健康状態の自己管理に焦点をあてた分類に新たな類を追加した。また,臨床の実践において,いかにしてNOC を活用すべきかを解説した実践上の指針も提示している。 第1 章 では,本版に収載された最新の分類について概説する。ここでは,用語の定義,よくある質問,そして本版で新たに取り上げた事項について重点的に述べられている。 第2 章 では,NOC をいかにして臨床実践,教育,そして研究で活用すべきかを議論する。本書には
NANDA-I の看護診断とNOC の成果の間のリンケージが含まれている。読者は,NANDA-Ⅰの診断が領域と類ごとに五十音順(原著ではアルファベット順)で収載されており,NANDA-Ⅰ分類の2012-2014 版で用いられている用語と一致していることに気づくであろう。またここでは,Gordon の機能的健康パターンとのリンケージも収載されている。これらのリンケージは規定的なものではなく,さまざまな状況や対象者の臨床データを用いて検証される必要があることを特に言及しておくことが重要である。これらは,看護師が診断を行う際に考えられる成果を明確にすることを助け,さらには,臨床情報システムの枠組みを構築することを意図しているものである。成果を選
択するうえで,看護師の臨床判断が最も重要な要素であることに変わりはない。
本書の初版が刊行されて以来,看護ケアに反応性の高い患者成果の定義に対する必要性が高まり続けている。管理型ケアの進展,医療費の抑制および安全性の強調,そしてエビデンスに基づいた実践の必要性によって,看護師,ヘルスケア消費者,ヘルスケア組織,医療保険の支払い者,そして政策立案者の関心が,看護介入の有効性とヘルスケアの質に関する問題に向けられる状況が続いている。看護は,あらゆるヘルスケアの場において,安全かつ費用対効果の高いケアを提供することに主要な役割を担っている。したがって,ヘルスケアの効果を評価するうえで,看護に関するデータを含めることは必須なのである。NOC は,看護ミニマムデータセット(Nursing Minimum Data Set:NMDS)の看護過程の要素を満たしている。NOC は,NIC の看護介入やNANDA インターナショナルの看護診断と対をなす用語である。患者の電子的なデータベースのなかに,NMDS において同定される看護要素を確実に組み込むためには,標準化された看護用語が必要となる。看護用語を標準化することはまた,診断推論の研究や教育を促進し,さらに患者の特性,看護診断,看護介入,そして看護感受的成果の間のリンケージが検証されることによって,中範囲理論の開発を推進するものである。

Sue Moorhead
Marion Johnson
Meridean L. Maas
Elizabeth Swanson

目次】

PART 1   NOCの概観と使用
最新の分類
臨床,研究,教育の場でのNOCの使用
PART 2 NOC分類法
NOC分類法の概観
PART 3 成果
PART 4 NOCリンケージ:健康パターンとNANDA-I
健康パターンとNOCリンケージ
NANDA-I看護診断とNOC のリンケージ
PART 5 看護の専門領域における中核成果
PART 6 付録
索引

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